ちゃんと今を生きてるかい?

耳が聞こえず言葉を持たない息子が教えてくれたこと。「未知数なぼくたち」絵会話アーティスト武田憲宗の活動や家族の日常を記録。金髪で、がんサバイバーの母ちゃんは気合を入れて子育て中。

初めての電話

ここ最近、何かあるたびに

「電話かけよう!!」

って言ってる憲宗。

 

テレビで欲しいものを見つけては

「電話かけよう!!」

私の体にイボがあるのを見つけては

「電話かけよう!!」

 

って、余計なお世話。

 

そんな電話に興味ありありの憲宗、今朝はわざとにプールバッグを忘れて登校。

しかも玄関を出た階段室に置いてある。。(-"-)

学校に連絡すると、担任は

「憲宗 『電話だな!』 って言ってます」

だって。。。

で、しばらくしてきたよね、電話。

なにかしら声は出してる。

意味としては「オレってば、うっかり落としちゃったんだ」なんて事を言ってるよ、この子。わざとのくせに。

 

声が嬉しそう。

そんな憲宗の初めての電話(笑)

 

3時間目にプールバッグを届けると、大喜びで担任に事情報告の憲宗。

「肩にかけてたら、ツルって滑って落としちゃったんだ。」

なんつって。

おどけた奴だ。

「かーちゃんが届けてくれたから、オレ泳げる!!」

って、超ご機嫌♪

そう、見学者はお勉強ですから~。

 

電話がかけれたってこと、ちゃんとわかってもらえたってことは、嬉しかったんだね。

でも、わざとはやめてくれ。

私の唇には過労の証、口唇ヘルペスが居座ってるよ。

軽くノイローゼ

「この子がおしゃべりにならないとは限らないからね」

 
何年前だろう。
まだしゃべりもしない憲宗を前に、主治医が私に言ったセリフ。
 
何となくねー、そんな気もしてたけど。
 
してたけど。
 
けど。
 
 
ここまでしゃべるかねー。
私が何をしてようが、どんな時だろうが、しゃべるわ。しゃべるわ。
 
しゃべれないのに、おしゃべりって。。。どんだけよって??

そう、例えて言うなら千原せいじ
相手がどこの国の人だろうが、自分の言語とジェスチャーでがんがんしゃべる。
なぜか伝わる、謎のコミュニケーション能力。
 
 
自宅のキッチンは、壁に遮られリビングが全く見えない。
建てる時の私の意見は却下され、築かれた偉大な壁。壮大な壁。
 
これがベルリンの壁なら、ハンマーで叩き崩してやりたい所だが。。。そうも行かず(涙)
 
私は憲宗に呼ばれる度に、狂った鳩時計の様に、キッチンを出たり。。。入ったり。。。
 
聞こえない子には「わかったよー」なんつって大声出しても、聞こえないからね。
キッチンをとびだしては「わかったよ」と、胸をトントンと叩かなくてはならない。
 
例え、絶好のタイミングで油から上げなくてはいけないかき揚げがあったとしても❗
魚を捌いて、何かの事件のように血まみれの手だったとしても❗❗
麺がゆで上がって、タイマーが鳴り響いていたとしても❗❗❗
 
私は鳩。。。
 
呼ばれたら、出て行くの(涙)

言の葉大賞 毛利公一さん

授賞式の前に授賞式に参加する方とSNSで繋がって、授賞式に会うことができたら楽しいんじゃないかなー。

なーんて、ひらめいちゃった私。むふっ。

とは言え、私がこんな行動に出るとは自分でも驚き。
今思うと、毛利さんに出会えるようになっていたんだろうな。

検索してみると。。。ブログに書いてる人、はっけーーーん♪♪♪

奥様が入選されて、授賞式には一緒に行きますって書いてある。

 

毛利公一さん。

 

色々と活動されてる方みたい。

フェイスブックを覗くと。。。事故で車いすと書いてある。

 

会いたいと強く思った。

授賞式会場で、声をかけさせて頂いくと、快く応じてくれるご夫妻。

なんだろう、少しお話すると初対面とは思えないこの感じ。

でもって、驚いたことに9月には札幌にいらっしゃるとか!!

なにかお手伝いできないだろうか。

 

障害や病気を抱えても、前向きで明るい人はたくさん知ってる。

でも、毛利さん。

ここまですごい人って、そうそう知らない。

瞬きしかできなかった。。。それ以外の全ての自由を奪われてもなお、心の自由は失わなかった毛利さん。

その強さ。

その笑顔から強い、強いエネルギー感じる。

きっと彼なら、どんな壁だって乗り越えて行けるはず。

 

可愛らしい奥様とともに人生を歩む毛利さん。

自分の足で立ち上がり「世界一」になる日を信じて、私も応援します!!

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言の葉大賞 入選作品

たった一つの言葉                

                                                                                       札幌市 武田 倖朋(みほ)

 

 まるで狙い済ましたかの様に、その日を選んで誕生した息子。小さな命を胸に抱き、古から繋がってきた命の奇跡に想いをはせた。。。そんなお彼岸の中日だった。

 良く笑い、良く眠る子だったが、首が座らず、生後7カ月で小児神経科を受診した。

 診断名も告げずに「普通に育てて」と言った主治医。その言葉は私を自由にさせる為だったのだろう。低緊張乳児で筋力が弱かった息子は1才を過ぎて、やっと一人座りが出来るようになり、「かーちゃん」「ワンワン」と言葉が出始め、一安心かなと思った。

 ところがその後、言葉は増えず、いつしか息子から笑顔も声も消えていた。

 「自閉症」当時の私はそう思い込み、この先の子育てを覚悟した。夫に伝えると、返ってきたのは「俺の子どもだから」と、彼自身が現実を受け入れる覚悟だった。これで何があっても育てて行けると、私はすぐに前を向いた。

 検査を繰り返してわかったのは「聴覚障害」息子が補聴器を装着したのは3才過ぎ。なかなか慣れずに、いつの間にか外してしまう補聴器を草むらや床に這いつくばって探す日が続いた。それでも、補聴器を着けると聞こえる犬の鳴き声に息子は喜び、笑顔と声を取り戻すことができた。

 今、息子は小学4年生。カルテにはミラクルと書かれるほど筋力がつき、元気に走り回っている。残念ながら言葉の獲得は進んでおらず、今だに息子はたった一つしか言葉を持たない。

 でも、その言葉はこれまでも、これからも私を突き動かすエネルギーの源。まるで私へのごほうびの様に、心に響く。

「あーやん!!」

私を呼ぶその声、いのちの言葉。

 

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紙司 柿本恵都湖 様と。

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式次第と記念品の盾と本。

言の葉大賞 観光編 (母ちゃんは外国人!?)

今回の京都旅行、目的は授賞式だから、観光は我慢、我慢。
私なんて憲宗のリクエストで、初日と3日目は鉄道博物館だったし。。。うぅ。

それでもせっかくの機会ですからね!ここだけは家族皆で行こうってことで、伏見稲荷大社錦市場はきっちり楽しませていただきました!!

 

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次女はたこにサザエ、パッションフルーツと次々に食べ歩きを満喫~。

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私と長女も、おいしいねー漬物♪♪♪

なんつって試食三昧してたところに、突然店員さんが険しい顔つきで

「NОー!NОーー!!」

って、私に近付いて来て。。。

「えっ!?」

って聞き返した、私。

思いっきり日本語で。

完璧なまでの日本語で。

 

なのに、店員さんってば再び

「NОー!NОーー!」

って、ジェスチャーで何か訴えてる。

 

胸には「speak English」って書いてあるのに、なぜか

「NОー!NОーー!」

しか言わないし。

英語しゃべってよ。

してまた、そのジェスチャーが何なのか全くわからず。

と思ったものの、とにかく何か私がいけないことをしてるような感じのこの場は、もうこうするより仕方ない。。

苦渋の選択で。

一瞬のうちに覚悟を決めた私。

 

「そーりー!」

 

つった。

はっきりと。

きっぱりと。

 

でもって、後ろで笑いをこらえてた長女と、足早に逃げる!!!
ばれてないはず!

言の葉大賞 番外編

4月のある日。

「ひょっとして、みほか??」

って、フェイスブックメッセージが入ってきた!

もう、忘れてたのに!!

私がメッセージを送ってから1年以上も経ってんのに!!!

なつかしいー。

会いたいー。

 

私が中学、高校とプライベートでお世話になった先生。

夜中に何度も先生の部屋にお邪魔したっけ。。。

「南の方に行く」

つって、私が会いに行った時にはすでに家は空っぽ。。。

17年ぶりかな?

連絡を重ねて京都で会うことになった。

はっきり言って奇跡的。 超、奇跡的。

縁があると何年経っても、どこにいてもあえるんだねー、先生。

 

駅で会うなり、憲宗が先生の流れる汗を自分の手拭いでふき取ってあげる(笑)

この日の京都は暑かった―!!!

そして! 三人で鉄道博物館を満喫~♪

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その後、別行動だった父ちゃん、長女、次女と合流。

皆で少しだけ観光と、食事を楽しんだ。

 

打ち解けたころ、次女が私に聞いた。

「あの先生の名前、何だっけ?? 八ッ橋先生??」

 

違います!! 

土橋先生ですから!!!

ニッキの匂いはしません!!

 

変わらない早歩き(笑)

また会おうね、八ッは。。。あっ、土橋先生♡

憲宗文字を書く ③

突然我が家に現れたのは、青い目のかわい子ちゃん♡

真っ暗な山の中で襲われているところを、父ちゃんが救出!!
若い!!
美人!!

父ちゃんのことを命の恩人を思っているのか、一晩中離れなかったとか!

 

不倫の臭いがプンプンですね!!

 

「しばらく面倒見てやって」と、堂々と私にのたまう父ちゃん!!

夫婦のピーーーーンチ!!!

 

それにしても、このかわい子ちゃんってば、育ちが良いのかしら??

家族皆にご挨拶。

静かでおとなしい。

 

夜中には家族全員の足の臭いをクンクン。。クンクン。。

 

翌朝、憲宗は登校するなりノートにこう書いて、担任の先生に教えたそうです!

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「ネコ武田」!!!

素敵!! 猫ひろしみたい!

超タイムリー!!

カンボジア代表で、オリンピーーーック!

 

名前以外に唯一書ける文字ですから。

まるでこの日を予言していたかのように ネコ だけは書けますから!

タヌキに食べられなくて良かったね~。