初めての「てんらんかい」
「ここで個展を開きなさい」
ってね。
まさかのまさか。
個展ってあれでしょ?あれ。
有名な画伯さんとかがやるやつだよね。
つか、憲宗まだ9歳だし。
こんな絵をわざわざ見に来てくれる人がいるのかね。
とか思いながらも
「お願いしまーーーす!!」
つって。。。カフェオーナーに頭下げてるわたし。
オーナーも、オーナーですよ。
怖いもの知らずにもほどがある。
でも、この太っ腹でパワフルなオーナーの懐に飛び込むことにした!!
意外と何の心配もしてない自分。
不思議なもんだ。
まぁ、自分の個展だったら間髪入れずに断るよね。
憲宗の絵だから、そう思えたのかも。
憲宗のことは、そりゃー「この先、この子大丈夫!?」って、思う。
言葉を持っていないまま、社会に出てどうやって生きていくんだ!?
みんながみんな、理解してくれるとは限らないし、わたしだって憲宗のジェスチャー
で、卵焼きなのか卵かけごはんなのか判断に迷うのだから。
それでもずっと、ずっと、わたしの中にあったもの。
「この子は絶対、大丈夫」
心の中には、ゆるぎないものがある。
なんでだろ?
自分でもわからないけど、大丈夫なんだろなー。
そんな訳で、動き出した「てんらんかい」
そもそも誰かの展覧会に行った経験だってほとんどないのだから。
どんなことになるのかは、全く想像できない。
それでも、現実は動き出した。