読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ちゃんと今を生きてるかい?

耳が聞こえず言葉を持たない息子が教えてくれたこと。「未知数なぼくたち」絵会話アーティスト武田憲宗の活動や家族の日常を記録。金髪で、がんサバイバーの母ちゃんは気合を入れて子育て中。

地下鉄の女神さま 前編

憲宗の成長 長女と次女の成長

憲宗の映画デビューはたしか「モンスターホテル」だったかな?

予告編も何も知らずに見たけれど、面白くて感動で大満足だった。

学校が振替休日で、平日なら混雑の心配はないからと6年生の長女、3年生の次女と4人で映画館に出かけたのだった。

街に慣れてない私。

「街」って言う時点で、もう慣れてない。

しかも、憲宗が迷子になる確率も高いのだから、準備には念を入れなきゃ。

出発前には友人に電話。

「地下鉄降りたら、どっち?右?左? エレベーターは?」

と、どうしようもない質問に、丁寧に答えてくれた友人。

地下鉄を降りてから、映画館への道順をイメージトレーニングをしてから自宅を出た。

 

映画デビューが成功したからと、調子にのって再びトライしたのだ。

よせば良いのに、2回目は次女と3人で。

頼りの長女がいないのに行ってしまったところにも落ち度がある。

 

映画にはポップコーンとジュースは付き物。

なーんて、教えてもいないのに、それが当たり前だと主張する憲宗。

大きなポップコーンを購入し、映画を楽しんだ。

はず。。。

この時、何を見たのかも覚えてない。

このポップコーンが、私を苦しめることになった。

 

悲劇が起きたのは帰りの地下鉄。

働く車や機関車が大好きな憲宗は、地下鉄だって大好き。

車両が到着すると、ホームに這いつくばって車輪や接続部分を見る。

ほふく前進でホームの際を進むのだから危険極まりない。

時に、先頭車両の前で落ちそうになりながら覗くのだ。

もちろん制止する私。

もちろん言うこと聞かない憲宗。

 

ピピィーーーーーーーーー!!!!

 

駅員さんに何度も笛を吹かれる。

当たり前だよ。

公共交通機関のマナーを教えたい私。。でも、まだ早かったかな。。でも、乗用車ばかり乗っていたらいつまでたってもマナーは見に付かない。。なんて思いながら、早く私たちの乗る地下鉄よ来てくれーーーーと、心で叫ぶ。

 抗がん剤治療の影響で、私の体力はまだまだ十分に戻っていないのだ。憲宗を追いかけ、捕まえ、もうクッタクタになっていた。