○○新聞襲撃事件 前編
かれこれ10年近く前の出来事だろうか。
薄暗い夏の夜。
帰宅したばかりの父ちゃんは、子ども達の「お帰り攻撃♡」を受けていた。
「ピンポ~ン♪」
と、来客を知らせる音。
対応は、たまたまインターフォンの目の前に立っていた父ちゃんにお任せした。
が!!
インターフォンの画面を見た途端、無言のまま、ものすごい勢いで自宅を飛び出した父ちゃん!
何が起きたのかわからない私たち。
ダン!!!
ダン!!
ダン!
と、階段を降りる音が響く。
ここはマンションの3階。
慌てて、部屋の窓を開けて外を見た。
先に玄関を飛び出して来たのは見知らぬ男。
襟首を捕まえた父ちゃん。
と 「てめぇ!!誰よ!!」
男 「すいません!すいません!!」
と 「何しに来たのよ!!」
男 「すみません!」
心臓がドキドキする。。。
格闘技は嫌いじゃないけど、リングサイドで見守る妻の心境とはこんな感じなのか。
道路に飛び出し、もみ合っている2人。
と、男が手に持っていたハンドバックを道路に投げ捨てた。
飛び散る大量の小銭!!
ジャララララーーーーーーン!!!!
まさかの、さい銭泥棒!?
その隙に逃げようとした男は再び父ちゃんに捕まり
「警察行くぞ!!」
の声とともに自宅裏の交番に向かい、2人の姿は見えなくなった。
何がなんだか全くわからない私たちは、ドキドキしたまま、言葉少なにリビングで父ちゃんの帰りを待った。。。