⑨ 私が抗がん剤治療を受けた理由
薬やワクチンはあまり好きではない。
必要な時にはちゃんと病院へ行くけれど、プロポリスとイトオテルミー(医師が開発した温熱刺激療法)でたいていの体調不良は改善するし、インフルエンザワクチンも打ってはいない。
いきなり「抗がん剤治療」と言われて、うんもすんも言えなかった。
「とりあえずがん保険は入ってる。」
これが、その時の私の答えだった(笑)
「最新治療でがんは治る!」とかなんとかってテレビや雑誌で見るけれど、実際に自分がその治療対象になるかどうかはまた別の問題だ。
民間療法もしかり。
自分に良いからと言って他人にもそうとは限らないし、その逆もまた同じく。
そもそもがんになった原因も、私みたいにストレスでなる人もいれば、遺伝だったり生活習慣だったりと、みんな違うのだから。
そういう事は経験して初めてわかる。
がん患者も色々で。。。
抗がん剤治療をしたいの!!と、張り切ってる方もいた。
積極的に治療なんてしないわよって方もいた。
年齢もがんステージも、背負ってる人生も人それぞれ。
やりたくないなー。
私はそう思っていた。
「何言ってるの。あなたはしなきゃダメよ。子どもがいるんだから。」
同室の料理屋の女将さんの言葉にハッとする。
「やりたい」とか「やりたくない」とか、そんな下らないこと言ってる場合じゃないんだな。
それでも、はっきりしないまま私は同意書にサインした。
「大丈夫?? 治療するんだよね?」
と、驚き気味の主治医が私の顔を覗き込む。
そう聞かれても仕方ない(笑)
「えっ? あー。うん。」
まるで他人事みたいに診察室の椅子に座っていた私は、やる気のなさ丸出しだった。
そうして、このまま迷いながら治療を受けては効く物も効かないだろうし、やらないならやらない選択に納得するためにも、私の体を私以上によく知る東洋医学の先生に相談した。
ここには詳しく書かないけれど、彼の西洋医学を丸ごと否定しない考え方が、私の中にストンと堕ちた。
きっと私は薬負けする。
抗がん剤でうけるデメリットは必ずある。
そこを最低限にするために、東洋医学に助けてもらおう。
「よし。やっぞ。」
そう決めて、再び入院を迎えた。