ちゃんと今を生きてるかい?

耳が聞こえず言葉を持たない息子が教えてくれたこと。「未知数なぼくたち」絵会話アーティスト武田憲宗の活動や家族の日常を記録。金髪で、がんサバイバーの母ちゃんは気合を入れて子育て中。

ボタン電池誤飲事件

がんの話が続くと疲れるので、ここらで気分転換♪

 

3月の健康診断で便潜血がわかった後も、変わらぬ毎日は続く訳でして。。。

この頃は、大腸カメラ検査のため病院に予約を入れたりして過ごしていた。

 

GWの始まりに、私は台所仕事をしながら長女と次女の宿題を見ていた。

リビングと台所を行ったり来たりする私に、オレをかまえ、オレと遊べよと、憲宗が邪魔をする。

相変わらず待てない男。この待てなさは、世界のYAZAWA並。

歌って踊れないんだから、少しくらい待ってろよ。

 

『それじゃオレ~、こんな事しちゃうからね~。』

と、洗濯ばさみを口に入れようとする。

ったく、やめなさい。

『じゃあ今度はこれ~。』

と、今度は補聴器のボタン電池

「ダメだってば!」

と奪い取り、そのままテーブルに置いた私が悪ぅござんした。 

 

しばらくすると憲宗がしょんぼりしながらやって来て、右手で右の頬をトントンと。。。

『おいしい』の手話。。。

えっ!?

 

「ゴクリ。。。( ゚ε゚;)」

と、唾を飲む私。

 

「飲んだのか?電池を飲んだのか??」

 西部警察のベテラン刑事、小林昭二のごとく問い詰める私に、憲宗が部屋から絵本を持ってきた。そのタイトル。

 

おさるのジョージびょういんへいく」

オイオイ、やめてくれ。

確かそれはジョージがジグソーパズルのピースを飲み込んだ話だろ。 

そうして

『オレはコレをしなければならない』

って指差してるページには、レントゲンを撮ってるジョージ。。。

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ジョォォォーーーーーーーーージ!!!!

 

 

「病院行ってくっから」

 

娘たちも慣れたものだ。

笑顔で見送ってくれた。

 

そうして、診察室にはたまたま祝日当番だったK先生が笑いながら迎えてくれた。

「お母さ~ん。ボタン電池って一番危ないからね~、うん。入院ね~。」

つって。

 

レントゲンに輝く電池を見た憲宗は、レントゲンと自分のお腹を交互に指差し、歓声を上げて大喜びしていた。

私ってば、リアル黄色い帽子のおじさんって気分。