ちゃんと今を生きてるかい?

耳が聞こえず言葉を持たない息子が教えてくれたこと。「未知数なぼくたち」絵会話アーティスト武田憲宗の活動や家族の日常を記録。金髪で、がんサバイバーの母ちゃんは気合を入れて子育て中。

⑤ 賑やかな病室

子ども達を児童養護施設に預け、なだれこむ様に入院。

その日の病室は術後の患者さんや看護師さんの出入りが多く、挨拶をしそびれてしまった私。。。

「奥の女学生さんは、どうしたの?」

と、病室が落ち着いた頃、澄んだ声が聞こえた。

これって間違いなく私に言ってる。。。

カクカクシカジカ、私は女学生ではないことも含め説明した。

そうして、同じ大腸がんってことで盛り上がる(笑)

 

澄んだ声の女性は、料理屋の女将さん。

どおりで声が通る訳だ。

「人はがんでは死なないわよ。寿命で死ぬの。」

と、スッパリ言ってのけていた。

 

もうひと方、超ご高齢のご婦人は「(亡くなった)主人がね、まだ来るな。まだ来るなって、夢で言うの。」と。

なんてあったかいお話かと思いきや、「隣にね、知らない女の人がいるんだから、あちらでよろしくやってるのよ。」と、笑っている。

 

こんな若造ではどうしたって真似できない。年齢を重ねるって素晴らしい!

取り敢えず握手してもらう私(笑)

 

そこに後日入院してきた70代現役美容師さんが加わり、大腸がんの女4人は、とにかく毎日賑やかに過ごし、退院後は女将さんに漬物を習ったりしてね。

漬物ってなんて素敵な食文化なのだ~(* ´ ▽ ` *)ノ