ちゃんと今を生きてるかい?

耳が聞こえず言葉を持たない息子が教えてくれたこと。「未知数なぼくたち」絵会話アーティスト武田憲宗の活動や家族の日常を記録。金髪で、がんサバイバーの母ちゃんは気合を入れて子育て中。

④ 大腸切除 決定

内視鏡で切除したがんの組織検査の結果が出た。

リンパ転移はないものの、根が深かったらしく断端検査の結果が陽性だった。

大きな心配はないが、やはり気になると言うМ先生。

「大腸を切除したほうが再発率がは下がりますが、手術なので体には傷が付きます。」と、М先生らしい気遣い。

私には一つだけ気がかりなことがあった。

「先生、私が気になっているのは、この若さなんですけど。先生ならどうしますか?」

 

この時、私は36歳。

がん患者としては、間違いなく若い。

 

うなずきながら聞いている先生。一瞬どこかを見つめ。。。

「うん。僕なら切ります。」

 

その一言で決まった。

 

「それじゃ、先生、夏休みに。」

と、答えると焦る先生(笑)

「えっ!?良いんですか??」

 

出来るときに出来ることをしないで、後から皆に迷惑をかけたくはない。

先生なら切るって言ったじゃん(笑)

 

なーんて余裕のあるように見える私だが、入院は7日~10日とのこと。

頭の中は子ども達をどうすれば良いのかと、そればかりぐるぐると巡り、診察を終えた私は、そのまま家へ帰らずに児童養護施設へ向かった。