② ドクターからのがん宣告
元々予約を入れていた35歳の健康診断。
実はこの年、私は精神的に不安定な憲宗から離れられず幼稚園に付きっきりで登園し、何度も予約をキャンセルしていた。
「憲宗を見ているから、行ってきなさい。」
ママ友に背中を押されて年度末ギリギリ、病院へ駆け込んだ。
届いた結果は便潜血。
ほぼほぼがんだろう。
そうは言っても、とにかく大腸カメラで見ないことには何もわからないのだから、アレコレ心配したって仕方ない。
どうなるかわからない先の事を悩むより、今のことに集中、集中。
改めて検査の予約を入れ、この日もママ友に憲宗を託し、朝から下剤を飲んで病院へ向かった。
軽い麻酔をしていても、検査を全部見納めたい意地で頑張る私!闘う私!
ネムッテタマルカー。
初めての大腸カメラ。噂に聞くような痛みも苦痛もない。
そう言えば「クセになる人もいるのよ」って話も聞いたっけ。
ダメ!ダメ!
気を確かに!!
腕が良いと評判のМ先生だったと知ったのは、検査の後だった。
そうして先生が「武田さん、これが今回の出血の原因です。」と、モニターを見せてくれた。
血管が浮き上がっていて、血が滲み出ているのがわかる。
「せんせー、これ悪そうですね?」
がんならがんで、いっそのこと早く知りたかった。
この性格は子ども時代から変わらないな。
一呼吸おいて、先生が答えた。
「。。。悪性腫瘍ですね。」
2月のある朝、聞こえたあの声を思い出した。。。
すげーな、当たったよ。