言の葉大賞 前編
あれは昨年の何月だったかな。
いつものように朝刊をめくる私の目に飛び込んできたのは、新聞全面を使った新緑色の広告と、そこにあった募集テーマの文字。
「言葉の力を感じる時」
テーマを見るなり「これ書こう。書かなきゃ」と、不思議なほど強く思ったのだった。
数日後のまとまった時間が取れたある日、ホームページを見て原稿用紙をプリントーーアウトーーー!!!
よーーーし!! 書ーくぞー!!!
こんな時、たいてい私の場合は文章が降りて来る。
まさにゴーストライター。いよっ!腕の見せ所!!
いっっ気に書き上げた。
そして1月下旬。
すっかり忘れたころに届く「選考結果」の封書。
中を見ると、そこには「あなたの作品が入選しました」の文字。
やったー!!入選したぞー♪♪♪
と、「授賞式のご案内」
授賞式??????????
そんなのあるんだ。
しかも京都???
あは~無理、無理。
憲宗を連れて旅行だなんて、我が家にはあり得ない。
もう、迷子になって永遠に会えない。。なんて事になりかねないですからねっ。
幼いころ、札幌駅での捜索40分がトラウマです。
と、内容を良く読まずに通知を封筒にしまった。
が。。。
「ん??授賞式??」
もう一度封筒から取り出し、声に出して読み上げ、目の前にいた次女に尋ねた。
「これどう思う?」
次女「えっ!? 京都に行けるの~♪♪♪」
ん? 行きたいの??
やれやれ、仕方ない。軽くイメージトレーニングしてみるか。
まずは自宅を出てバスでターミナルへ、そこからまたバスに乗って新千歳空港へ。
直行バスがあるから便利ね~なんつって。
子ども達、飛行機は初めてだけど、大丈夫かな?
憲宗が空港で騒ぎを起こさないかしら。。。
空港で搭乗手続きをしてからの、手荷物検査は?危険物はない??
席は窓際が良いねなんつってからの~。。。
テーーーイク オーーーーーフ!!
京都??
あれっ!? 空港って???
飛行機は旋回したまま、イメージトレーニング 終了~。
私ってば、成田と羽田しか知らなかったんだ。
すぐさま、次女にはこう答えた
「無理じゃね??」
とりあえず父ちゃんに電話をして一連の話を説明すると、私のことを「先生」と呼びやがる。
そんな私も父ちゃんからの電話には「おいでやす~」
なんつって、気分は京女。
なんだかんだと話し合い、こんなことは人生に滅多にないことなので、家族皆で京都に行くことになった。
間抜けな田舎者。大丈夫???
エアチケット、ホテルの手配。
出来んの???
憲宗!迷子になんなよ!!
行くと決まったら、カレンダーに印を付けて憲宗にも報告。
「飛行機乗るぞ!」
つったら、サクサクと何やら描き始め。。
笑顔で私に見せたその紙には、イギリスの国旗(汗)
いやいや、日本だから!国内だから!
慌てて日本地図と五重塔の絵を見せた。
納得の合掌。
みうらじゅんには敵わないけど、仏像好きの憲宗。
どうなる事やら。。。いざ、出発!!