夢の珍婚旅行 前編
「新婚旅行に行って来い」ってほぼ業務命令で与えられた父ちゃんの有休。
それも突然。
休みはもらえないはずだったのにー。と、文句言ってもしょうがないから、とりあえず旅行計画!!
どこに行く???
つっても、ツーリング好きだった私は、旅行経験はほとんどない。
ましてや海外旅行なんて、想像もしたことない。
とりあえず韓国に焼き肉食べに行くのはどうか?と、旅行会社に勤めていた、姉の友人に相談した。
「今はタイがブームだよ。3泊出来るのだから、タイにしたら?」
と勧められたまま、行先はタイに決まった。
パスポートだなんだかんだと準備が整い、いよいよ新婚旅行だー!!!
楽しむぞー!!!
久々の飛行機♪
動き出した~♪♪
離陸~♪♪♪
って、はんぱなく痛いんだけど。
父ちゃんが握ってる私の手。
力入りすぎで、ロマンスなんて感じられない。
と、父ちゃんの手から力が抜けた。。。ぐったりしてる。
は??
寝てんの?
とりあえず様子見。
成田に着く少し前に目覚めた父ちゃん。
「大丈夫。慣れた!次はもう大丈夫!」
と、意味不明な発言。
どうやら飛行機は大の苦手だったらしい。
寝てたのではなく、気を失ってたのか。
成田で乗り換え、またもや離陸~♪♪♪
って、今度は歯を食いしばって耐えた父ちゃん。
しばらくすると深い眠りに zzzzzzz
話し相手のいないフライト。
長いねー。
「体がおかしい。。。」
目覚めた父ちゃんが訴える。
何を言ってるんだかと、思いながらもCAを呼んだ。
発熱!?
この時何度だったかはもう忘れたけど、とにかく辛そうにしていたから「座席を移りませんか?」との案内に従い、二人でゆったりとした座席に移動した。
周りは外国人。
父ちゃんに集まる視線が熱くて、頭の上の氷が解ける。
飛行機は夜のタイに到着。
長いフライトを終え、ガイドさんと合流。はぁはぁ言いながら事情を説明すると
「とにかく今日は遅いから、何かあったら明日の朝連絡ください」
とのことで、私たちはホテルにチェックインした。