ちゃんと今を生きてるかい?

耳が聞こえず言葉を持たない息子が教えてくれたこと。「未知数なぼくたち」絵会話アーティスト武田憲宗の活動や家族の日常を記録。金髪で、がんサバイバーの母ちゃんは気合を入れて子育て中。

小樽水族館①  娘たちの成長編

11月。小雨の日曜日。

長女の期末テストが終わり、このタイミングを逃すと次はいつ行けるかわからないからと、小雨決行で小樽水族館へ向かった。

 

突然のお出かけはいつものこと。

車の中でもみんな楽しそうで、ちょっと無理してもやっぱり良かったなーなんて思いながら運転する私。

一人暮らしの父の家に顔を出してから、水族館に到着。

駐車場に車を停め、雨は強くないけれど濡れると寒いからと、憲宗にシルバーのジャンバーを渡すと。。。

 

なんだ!?懐かしいこの感じ。

抵抗しやがる。

 

ジャンバーや長そでが嫌いな憲宗。

時にはおしっこ攻撃で抵抗するほど着るのを嫌がっていた。

学校の先生達のおかげで、最近は登校時にジャンバーを着る事が当たり前になってきて、着せる事がさほど難しくはなくなったと思っていたのが油断だった。。。

 

気温はそう低くないとは言え、11月、海岸沿いの水族館は寒いはず。

 ジャンバーが嫌なら、フリースはどうかと交渉。

ほら、まくると半そでみたいだろ。

 

抵抗なく着たと思ったら、力なく崩れ。。。

濡れたアスファルトに横たわる少年。。。

 

なんだ!?

これもなんだか懐かしいな。ゴム人間攻撃。

最近はすっかり落ち着いてたと思ったのに。

こんなに手こずるのは、本当に久しぶり。

 

ジャンバーの方が良かったのか?

と、フリースを脱がせ、ジャンバーを着せると。。。

 

再びゴム人間となり、アスファルトに横たわる。。。

 

「まだ?」

 

と、長女と次女。

 

「久々に長期戦かも」

 

と、私も戦闘態勢。

 

「水族館は寒いから、着なきゃ入れないよ」と、ジャンバーにするかフリースにするか強く交渉。

憲宗も強く抵抗。

車の陰から駐車場のおじさんが心配そうに見てる。。ごめん、おじさん。

 

抵抗を続ける憲宗は、ゴム人間になって崩れ落ち、私に引っぱり上げられ立ち上がり、泣いて、怒ってついに!

 

パンツを下げたーー!!!

 

でたな!フリチン攻撃!!

 

コノヤロー!脱ぐなら脱いでみろ―!

 

そうくるならこっちだって、脱ぐの手伝いましょうか攻撃だ!

 

と、憲宗のTシャツをまくり裸にしようとする私。

焦る憲宗。

笑う長女と次女。

 

おー。なんと言う成長!

 

以前だったら恥ずかしかったよね。

「かーちゃん、みんな見てるよ。。。」

って、小さい声で私に言ってた次女。

「毛が生えてないうちは大丈夫だ」

って答えたら

「そういう問題!?」

って、言ってた長女と次女(笑)

 

そりゃ、公衆の面前でオチ○コ出すんだから。

時にはおしっこまでしてくるんだから。

恥ずかしくない訳ではないけれど。

 

急いで隠して服を着せれば済む時もあったかも知れない。

でも、なかったことにはできないから。

 

つか、そんなことをしても、なんの解決にもならないのはわかっていたから。

目の前の全裸の憲宗に向き合わなければ、終わらないんだ。

 

そばで見ていた幼かった長女と次女は、そりゃぁ恥ずかしかったよね。

自分のお母さんが、全裸の子どもを肩に担いで町中を走ってるんだもの。

でもって、自分たちは憲宗が脱ぎ捨てた服を両手で抱えて、そんなお母さんを追いかけていたんだから。

 

逞しくなったなー。

 

そして

「ごめん、先に入ってて」

 

と、入館料を渡した。

 

こんなことも、幼い時には出来なかったよね。 

憲宗が落ち着くまで、ひたすら傍で待たせるしかなかったもの。

3人とも成長したんだなー。

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